みなさん、こんにちは、管理人のRです。
「ほのぼの育児たまにウイスキー」ウイスキーコラムへようこそ。
4月も半ばに入り、札幌の風もようやくトゲが取れて、柔らかな春の気配を感じるようになりました。
先日、リビングで遠目から娘を眺めていると、ぬいぐるみを抱えながら右手に茶色い何かを握っていました。
遠目から見るとチョコレート。
でも、虫歯になるといけないと思い、まだチョコレートは上げたことはありません。
おもむろに近づき「何もってるのちょーだい?」というとくれました。
においを嗅ぐとうんこでした(;´・ω・)
娘のコロコロしたうんこ(;´・ω・)
ずっと握っていたのか少し柔らかくほのかに温かみがありました。
オムツを変えた時に脱走して落ちてたのか、なんにしても食べていなくて本当に良かった…
そんなこんなで事件続きな一日を完走し、家族が静かな寝息を立てる深夜。
自分への「完走賞」として、一杯のウイスキーを手に取ります。
そんな静かな夜の相棒に今回私が選んだのは、アイルランドから届いた漆黒の六角形、『ザ・セクストン(THE SEXTON)』です。

■内容量:700ml
■アルコール度数:40%
■希望小売価格:4,500円(税別)前後
注:上記の希望小売価格は2026年4月12日時点の価格です。
■ ザ・セクストン(THE SEXTON)
アイルランドの老舗、ブッシュミルズ蒸溜所の原酒を使用しながらも、その伝統的なイメージを鮮やかに覆すモダン・アイリッシュ・ウイスキー。
それが「ザ・セクストン」です。
まず目を引くのは、その圧倒的なボトルの存在感。
漆黒のガラスに刻まれた六角形のフォルム、そしてシルクハットを被った骸骨のラベル。
一見するとウイスキーとは思えない、まるで魔法の薬瓶かアンティークのインク瓶のような佇まいです。
中身は、大麦麦芽100%を使用した「シングルモルト・アイリッシュ・ウイスキー」。
しかも、全ての原酒を厳選されたオロロソ・シェリー樽で4年以上熟成させた、非常に贅沢な設計となっています。
■ 歴史
ザ・セクストンの誕生には、一人の女性マスターブレンダーの情熱が深く関わっています。その名は、アレックス・トーマス。彼女は、アイルランドで数少ない女性マスターブレンダーの一人であり、ブッシュミルズ蒸溜所で長年経験を積んできた「熟成のスペシャリスト」です。
彼女が目指したのは、「伝統に敬意を払いつつ、現代のウイスキーファンを驚かせるような、大胆でフルーティーなアイリッシュ」を造ることでした。
ブランド名の「セクストン(SEXTON)」とは、教会の「聖具室係」や「墓掘り人」を意味する古い言葉です。かつてアイルランドの小さな村々で、セクストンは生と死を見つめ、静かに知恵を蓄える存在でした。この名前には「今という時間を大切にし、深く味わう」という哲学が込められています。
2017年の発売以来、アメリカを中心に爆発的な人気を博し、アイリッシュ・ウイスキー界に「モダン・シェリー熟成」という新しい風を吹き込みました。伝統あるブッシュミルズの「トリプル蒸留(3回蒸留)」によるスムースな原酒を、敢えて個性の強いシェリー樽だけで仕上げるという彼女の賭けは、見事に世界中の愛好家を射止めたのです。
■ 蒸留所と背景
ザ・セクストンの原酒が生まれるのは、世界最古の免許を持つ蒸溜所として知られる、北アイルランドのオールド・ブッシュミルズ蒸溜所です。
ここでのこだわりは、大きく分けて二つあります。
一つは、「トリプル蒸留」による究極の清浄さ。
アイルランドの伝統である3回の蒸留工程を経ることで、原酒は驚くほど軽やかで雑味のない、ピュアな液体へと磨き上げられます。この「キャンバス」が綺麗であればあるほど、後のシェリー樽の色彩が鮮やかに乗るのです。
二つ目は、「シェリー樽への徹底した投資」。
アレックス・トーマス自らがスペインのヘレスへ赴き、最高品質のファーストフィル(一度もウイスキーの熟成に使われていない)オロロソ・シェリー樽を厳選しています。
4年という熟成期間は、一見短く感じるかもしれませんが、このファーストフィルのシェリー樽を使用することで、驚くほど短期間で深い琥珀色と、ドライフルーツのような凝縮された甘みが原酒に溶け込みます。
ちなみに、あの特徴的な「六角形のボトル」。
これは、蒸溜所の近くにある世界遺産「ジャイアンツ・コーズウェー(巨人の道)」に広がる、六角形の玄武岩の柱をモチーフにしています。北アイルランドの誇り高い自然の造形を、その手に持つことができる。デザインの一つ一つに、土地への愛着が刻まれているのです。
■ おすすめポイント(原酒:ストレート)
ザ・セクストンをストレートで味わうと、まずその「色の濃さ」と「香りの重厚さ」に驚かされます。
香りは、まさに「大人のスイーツ」。レーズン、ドライイチジク、プラムといった濃厚な果実香の奥に、ナッツや蜂蜜、そして微かに焼きたてのパンの香ばしさが漂います。
口に含めば、アイリッシュらしいスムースなアタックの直後に、シェリー樽由来のダークチョコレートのような甘美な苦味が広がります。アルコールの角が全くなく、ベルベットのような質感。後味には温かいスパイスと、豊かなオークの余韻が長く、静かに続いていきます。
■ おすすめポイント(ハイボール)
そして、ハイボール。これがまた、予想を裏切る美味しさです。
シェリー樽100%のウイスキーは、ハイボールにすると「少し重すぎる」と感じることがありますが、ザ・セクストンはベースの原酒がトリプル蒸留で軽やかなため、炭酸との相性が抜群に良いのです。
炭酸の泡に乗って、シェリーの甘い香りがより「華やか」に、フルーティーに変化。
重厚な甘みがソーダによって適度に解かれ、リッチなのにゴクゴク飲めてしまう、危険な一杯です。
育児の合間の深夜。
少し贅沢なナッツや、ビターなチョコレートを数粒用意して、このハイボールを合わせる。
日常の喧騒を忘れさせてくれる、最も手軽で豪華な「心の逃避行」になります。
≪評価≫
※★5段階で評価:ハイボールでの飲用を基準としています。
香り:★★★★★
「芳醇なるドライフルーツの誘惑」
この価格帯で、ここまで本格的なオロロソ・シェリーの香りを楽しめるのは驚異的です。
味わい:★★★★☆
「スムース&リッチなシェリー・ハーモニー」
アイリッシュの飲みやすさと、シェリーの重厚さが見事に同居しています。
余韻:★★★★☆
「チョコレートとスパイスの心地よい記憶」
最後の一口が消えた後も、温かな余韻が鼻を抜けていきます。
価格帯(コスパ):★★★★☆
「所有欲をも満たす、高コスパ・シェリーモルト」
ボトルのデザイン性、原酒の質、どちらをとっても5,000円以下とは思えないバリューです。
総合評価:★★★★★
「夜の静寂にこそ相応しい、漆黒の芸術品」
■ R流・ザ・セクストンの嗜み方
一日中、走り回り、声を出し、娘と全力で向き合った後。
自分を一度「リセット」するために私が実践している楽しみ方です。
- 「オレンジピール」で華やかさをブースト
シェリー由来の濃厚な甘みに、オレンジの柑橘感を加えると、味わいが一気に立体的になります。ハイボールの上に皮をシュッと絞るだけで、極上のカクテルに。 - あえて「氷なし」のハーフソーダで
冷やしすぎず、ウイスキーとソーダを1:1程度で割ると、シェリーの香りが最も濃厚に立ち上がります。ゆっくりと本を読みながら飲む時に最適です。 - ペアリングは「ブルーチーズ」
ザ・セクストンの力強い甘みは、ブルーチーズの塩気とクセを優しく包み込んでくれます。この組み合わせは、まさに「大人の背徳感」です。
いかがでしたでしょうか。
「墓掘り人」という名前を冠しながらも、その中身は生命力に満ちた華やかな果実の香りで溢れている。このギャップこそが、私たちの日常に必要な「遊び心」なのかもしれません。
子供を育てるという、尊くも時に過酷な日々。その中で、ほんのひととき「父」であることを休み、一人の「ウイスキー好き」に戻る時間。ザ・セクストンの漆黒のボトルは、そんな私たちの秘密の時間を、静かに、そして優雅に守ってくれるウイスキーです。
今夜、もしあなたが少しだけ「深いリラックス」を必要としているなら、このミステリアスな六角形のボトルを解禁してみませんか?
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